「 医療と地域の未来地図 」
第22回日本医療マネジメント学会高知県支部学術集会
学術集会 会長 細木 信吾
この度、第22回日本医療マネージメント学会高知支部学術集会の大会長を拝命いたしました。学術集会の開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
今、世界では、米国・イスラエル・イランを巡る中東情勢の緊迫化や、ロシア・ウクライナ戦争の長期化など、不安定な国政情勢が続いています。日本も無関係ではなく、エネルギー価格上昇・物価高騰という形で大きく影響を受けています。日本政府は、国民生活を守るために最低賃金を平均1500円まで引き上げると発表しましたが、多くの中小企業は厳しい経営環境に直面しています。
私達の医療分野への影響はより深刻です。人件費、材料費、光熱費といった費用が高騰する一方で、診療報酬制度、介護報酬制度で定められる医療収益が全く追いついていません。2024年度には、約7割の病院が赤字経営であったとの統計結果も示され、大きな衝撃を与えました。また、人口減少にも歯止めがかかりません。総人口の減少は、患者減少につながり、生産労働人口減少は医療スタッフ確保の困難さに直結します。私達の医療の現場もまた、大きな困難に直面しており、大きな転換期にあると言ってよいでしょう。
『Failure teaches success』。私の好きな言葉で、失敗や困難の中に次の成功へのヒントがあるという意味です。この閉塞感を未来への力に変える原動力こそが、『マネージメントの力』であると確信しています。
本学術集会では、それぞれの医療機関が取り組んでいる、ムリ・ムダ・ムラを無くす業務の効率化、患者・医療従事者のための積極的な働き方改革、業務負担を軽減させる医療DXの推進などの、さまざまなアイディアを共有することで、高知県医療の『未来の地図』を皆様とともに描いていきたいと考えています。特別講演では、今までの発想にない、『目から鱗が落ちる』ようなお話をお願いしています。多くのみなさんに、オンサイトでご参加いただき、活発なディスカッションを通じて、病院や業種の垣根を超えた新たなコラボレーションが生まれることを期待しています。明日からの医療に、イキイキとした活力とワクワクする未来を加えて、3D的な『未来の地図』を創り上げていきましょう。
最後に、本学術集会を計画、準備、実行にご協力いただいた、本学会理事の皆様と細木病院スタッフを始め、協賛、ご協力いただいた全ての皆様にこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。本学術集会が、未来に繋がる実り多い学びと交流の場になることを祈念して、挨拶の言葉といたします。